型を破ろう

© Saul Leiter

© Saul Leiter

今日写真を趣味として始めようとする人には色々な可能性がある。
写真クラブに入る、写真コースを受ける、インターネットで学ぶ、または独学でやってみる。独学で学ぶことはさておき、アマチュア写真家は、本や自分より経験豊富な仲間から学んだ基本を大前提とすることになる。おおよそこのルールに従うことは正しいのだが、時には型にはまらないことも必要だ。


例えば、三分割法に従うことは必ずしも必要ではない。
主役が写真のど真ん中にきても、端っこに一部しか写っていなくても成り立つ場合がある。偉大な写真家ソール・レイターはこのような作品を何枚も世に残した。

「写真に沢山のものが写りすぎている、視線があちらこちらに行って定まらない」とよく聞くことがある。つまり、主役が何か分からないということだ。それはそれで正しいのだが、このルールと真逆なのに素晴らしい沢山の作品がある。マグナムフォトの写真家アレックス・ウエッブは、写真の中に沢山の構成要素を入れ込んだ。一枚の写真の中で様々なことが起こり、私達の視線は右へ左へ、上へ下へと誘われる。

記:アレッサンドロ・メリーニ

© Alex Webb

© Alex Webb

© Vivian Maier

© Vivian Maier

よく考えると他にも沢山の決まり事がある。
主役がボケているのはダメ、というのは本当だろうか?

写真の水平線は斜めでもありだろうか?基本に従えば水平線は保つのが良いとされるが、カメラが傾いたままシャッターを切るとシーンがダイナミックになる。
早朝や夕暮れ時にシャッターを切るのは理想だが、真昼間に写した写真だって面白いこともある。
 

だからアドバイスはシンプルだ。写真の基本を学び、もし自分の創造性をより表現できるのならこのルールを破ること。

記:アレッサンドロ・メリーニ