毎朝の日課となっているウォ―キング。早朝にもかかわらず、結構大勢の人に会う。毎日会うので顔見知りになり、色々な話をする。この夏もそうしてある女性と出会った。 現在アメリカのテキサス州に在住のこの女性は、お父様が旅立たれ一時帰国されていた。よく話を伺うと彼女は元栄写友の会員だった藤崎行雄さんのお嬢さんだった。
今年の9月に開催した写真展を見に来てくださった方の中に、お仕事の関係でテキサス州に引っ越すという女性がいた。そこで私は二人の連絡先の交換をした。誰も知らないアメリカで、日本人の知り合いが近くにいるのといないのでは大違い。とても心強いだろう。こうして写真がつないだ縁がまた世界に広がった。ちょっとした挨拶や会話から始まる人との出会い。何気ない繋がりが日々の暮らしでは大切で、縁とはつくづく不思議なものだと改めて感じた。
先日、藤崎さんの奥様からご丁寧なお手紙を頂戴した。ご主人が写真クラブの山古志旅行を楽しく話していたことを思い出し、遺品の中から出てきた旅の集合写真の中に写っていた会長さんが娘さんとウオーキング仲間だったと知り驚いたと。お母様を一人残してアメリカに帰らなければいけないお嬢さんの気持ちを思うとせつなくなるが、彼女のブログには「お母様の周りには仲の良いご近所の方やお仲間がいて、決してひとりではないということがわかった」と書いてあった。パワフルで素敵な彼女の文章に、私も逆に勇気をもらった。
(注:会長の平井さんとの話を元に書きました。広瀬美穂)
「ススキ」 - 撮影 故 藤崎行雄氏