いつもこうだ。フィルムカメラを使っていると言うと、「えー本当に?このデジタル時代に、昔に戻るの?しかも高くつくのに」と真っ先に言われる。ごもっともで、フィルムを使って写真を撮ることは、今日ではよりコストも時間もかかる。それなりのサイズで自宅プリントしようものなら更に面倒な作業となる。この時間のかかる工程では物足りないかのように、ネットでは「ゆっくりプラン」といったサービスもある。現像料金が半額になる代わりに、納品に半年までかかるというものだ。半年?これでは話にならない。。。
ではなぜフィルムはなくならないのか?というよりむしろ最近では、フィルムを再発売して興味を引いている「Holga」や「Lomo」、「Kodak」のように、第二の青春を謳歌しているように見える。 ここ数年、生産者はフィルム写真の効果を出すために携帯やデジタルカメラ用のクリエイティブフィルターを提案し競い合っている。そんな中コダックがあのエクタクロムを市場に送りだす準備をしている。またそれに伴い、作業の複雑さにめげず、コストを抑え、時間短縮をも実現する方法を生み出している昔を懐かしむ人たちの面白いプロジェクトも進行中だ。特に「Lab Box」と「FilmLab」というプロジェクトについて話をしたい。
一つ目はローマの若者が開発したもので、どのような場所でもこの箱があれば時間をかけずに現像することができ、暗室の必要もないというもの。もう一つは、パソコンやスマートフォンなどに写真を保存するためのものだ。
最初に話をしたラボは時間のかかる高額なサービスを提供している。市場に出回っているスキャンナーはフィルムを想定して作られてないので、おまけ的な機能が備わっているだけだ。高いクオリティーを求めるならば、フィルム専用のスキャンナーを買う必要があるだろう。だが私のようにデジタルカメラも使う者にとっては高額すぎるし、こういう買い物は妥当ではないと思う。ならばスライドやフィルムを一瞬にしてスキャンすることができるスマートフォン専用の素晴らしいアプリがある。ライトボックスのような光源とスマホが一台あればOK。
2017年はフィルム再来の年となるだろうか?時が経てば分かるだろう。
記:アレッサンドロ・メリーニ